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斉藤弘子・長江曜子著『Q&A 21世紀のお墓と葬儀』より抜粋
【Q13】長男だった夫が死亡したのですが、嫁としてお墓を守っていかなければならないのでしょうか。いずれ再婚を考えているのですが・・・。 |
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ご主人の両親は、すでに他界されて、あなたの夫がお墓を継承されていたのだと思います。その場合、配偶者であるあなたが継ぐことはできますが、「これから先のことを考えると、お墓を受け継ぐことは躊躇してしまう、自信がない」というのであれば、まわりの条件や環境を考えてみてください。 まず、ご主人にきょうだいはいるのでしょうか。弟や妹がいて、その人たちの中に、実家のお墓を守っていきたいという意志をもっている方がいれば、その人に受け継いでもらうのもひとつの方法です。「実家のお墓に入りたいが、義理の姉が継承するだろうし・・・」と、ためらっているというケースがないともいえません。 ご主人のきょうだいや親族と話し合ってみるとよいでしょう。これをよい機会にして、コミュニケーションを密にすることは、あなたにとっても役立つかもしれません。たとえば、継承をゆずったとして、将来、あなたの気持ちが変わり「夫の遺骨が納骨されているお墓で眠りたい」と思ったとき、継承した人の了承があれば可能なのです。そういうことを考えれば、「いずれは、私も○○家のお墓に入れてくださいね」という約束をして委譲するのも一案です。 さて、「再婚を考えている」ということですが、具体的に相手がいる場合と、予想として、という違いによっても対処が異なるでしょう。「もしかしたら」というのであれば、お墓の継承の権利をゆずって再婚しなかったとき、あなたのお墓の問題が出てきます。「夫の家のお墓にも、自分の実家のお墓にも入れない」ということにもなりかねません。当面は、あなたがお墓を受け継ぎ、再婚することが確実となった段階で、親族の人に事情を話して継承していただくという方法も考えられます。また、あなたに子どもがいるのであれば、子どもを指定することも可能でしょう。 ただ、ここで、大事なポイントとしてつけ加えておきたいことは、お墓をどうするかとうことだけでなく、その背景にある気持ちです。あなたとご主人との関係が切っても切れないほど深いものであれば、嫁としてお墓を守っていくのは・・・とプレッシャーなど感じないで、自分の気持ちに素直にしたがってみてはいかがですか。 一方、亡くなった夫のお墓にしばられていくことが、あなたの一生にとってマイナスであると思うなら、きちんと処理することです。その際、親族との関係で、「お墓を大事に思っているからこそ、継承のことを考える」旨のことを伝えるとよいでしょう。話のもってゆき方によっては、あなたの単なるわがままとうけとられることもありますから、配慮してください。
斉藤弘子・長江曜子著『Q&A 21世紀のお墓と葬儀』より
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