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斉藤弘子・長江曜子著『Q&A 21世紀のお墓と葬儀』より抜粋

 

  【コラム9】献体とは?
 

 献体は、人体の構造を調べるための正常解剖として、医学・歯学系の大学の解剖学教室で行われる。そももそ、学識と人格をそなえた医師を養成するための礎として、「医学および歯学の大学教育の一環として行われる人体解剖学の実習に役立たせるため、自分の遺体を提供する」という意味がある。もちろん、強制的なものでなく、あくまで善意によって提供されるものであり、そのため無条件・無報酬というのが原則だ。

 
 欧米では、150年の伝統があるといわれるが、日本での歴史はそれほど古くない。昭和30年代から40年代にかけて、医学教育の危機といわれるほど、遺体が不足していたため、献体を申し出る篤志家たちが現れてきたことが運動の普及につながり、献体篤志家団体が誕生したのである。その後、次第に運動が広がり、現在では、献体篤志家団体は56団体、献体登録者は約16万人(そのうち献体した人は約5万人)といわれている。

 
 では、献体を希望したとき、どのような条件や手続きが必要なのか。「医学および歯学教育のための献体に関する法律」があり、その規定によると、本人の意思と遺族の同意(同居の有無は問わず、親や配偶者、子ども、きょうだいなどの肉親。従兄弟や姪・甥、発言力の強い親族の了解も得ておく)は必要不可欠の条件である。また、献体と臓器移植を同時に行うことはできないことに留意しておきたい(ただし、アイバンクなどへの同時登録は受けつける場合もある)。

 
 手続きとしては、まず最初に、関係機関(篤志家団体や協会など)や大学などから申込書を取り寄せて、肉親者の同意の印をもらう。そのあとは、次のような順序となる。

 
 申込書を提出
 ↓
 献体登録書(会員証)を受け取る(献体大学名と死亡時の連絡方法などの表示がある)
 ↓
 死亡したら、遺族は献体登録大学へ連絡して、移送方法や手順、日時などを打ち合わせる。ことのき、「死亡診断書」「埋火葬許可証」(火葬月日や場所は空欄)などの書類を準備しておく
 ↓
 通夜や告別式を行うことも可能。その後、大学へ運ぶ(一般に、移送の手間や費用は大学側が担う)
 ↓
 解剖学実習が終了したら、大学側で火葬し、遺骨が返還される。期間は大学によって差があるが、通常、1〜2年、長いと3年ほどかかる。

 

斉藤弘子・長江曜子著『Q&A 21世紀のお墓と葬儀』より

クョスコニョ    [1] 
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