「自分らしく生きて死にたい」「尊厳ある生、最期を過ごしたい」・・・、この「自分らしく」「尊厳ある」とは、いったい何だろうか。・・・略・・・
「生と死」の問題は、どのような立場から、何を基盤として考えていけばよいのか・・・、テーマを追究しながら、自分自身に問いかけているが、その答えは、なかなかみえてこない(もちろん、答えの出せるテーマではない)。・・・略・・・
人間が生きていく過程で、さまざまな障壁がたちはだかってくる。人生の折り返し地点をすぎた年代に焦点をあてれば、まさに「生老病死」である。そういう命題にぶつかったとき、どのように考え、前に進む道を選択すればよいのか。誰にでも訪れる老いからファイナルステージをいかに過ごし、最期の幕を閉じるのか・・・。二人称、三人称のサポートをうけながら、最終的には一人称である自分自身が答えを出して自己決定していく。そして、家族やまわりの人たちに対する思いやり、家族や社会へのギフトという視点をもつことを忘れない。そういう姿勢が大事なのだと考える。
そんな思いを含めながら、生と死を自ら創っていく時代になったいま、「生と死」を考えて準備するために役立つガイドになることをめざして、本書をまとめた。
※著者は、死生学を学んだノンフィクションライターである。