PHP新書 2000年 ISBN: 4569612563
【まえがきより抜粋】
「釈迦もイエスも、お葬式といったものを重視していません。はっきり言えば、どうでもいいことと考えておられます。
なぜなら、それは習俗だからです。元服式(成人式)や結婚式と同じような儀式なのです。
しかも、この葬式という儀式は、自分の葬式を、自分でやるわけにはいかない、ちょっと風変わりな儀式です。つまり、自分の葬儀は他人にやってもらわねばなりません。ということは、われわれは他人の葬式をやらねばならない義務があるわけです。
ところが、現代日本において、この葬式という儀式が、へんにややこしくなってしまいました。 ・・・ 略 ・・・
本書では、そこのところを考えてみました。たいていの人が、自分の親族の葬式をやらねばなりません。やる義務があります。その時、どのような気持ちで葬式をやればいいのか、また自分の葬式についてはどのような考え方をすればいいのか、それを読者といっしょに考えてみようとしたのです。」