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なつ椿
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斉藤弘子・長江曜子著『Q&A 21世紀のお墓と葬儀』より抜粋

 

  【Q10】密葬という言葉をよく聞くけど、具体的には、どういう形なの?またコストは?
 

 最近、”密葬”という言葉をよく聞きます。高齢化社会で、葬儀を行う側も死ぬ側も「高齢者」(65歳以上)になっていること、近隣の方々にも知り合いが少なくなってきていることが、その背景にあると思います。また、地方にいたお年寄りが、都会で生活する息子や娘の元で晩年を過ごすこともよくありますね。新しい土地で、わずかな期間住んだだけでは、「知り合い」は存在しないことも事実でしょう。その上、30〜40歳代の核家族の子ども達夫婦は、近所づき合いもしないのが現状です。まして、子どもがいなければ、その状況が助長されるのです。
 
 さて、密葬とは、どんなものなのでしょうか。密葬は、葬儀をしないことではありません。家族だけで、あるいは特に親しい友人だけで、故人を送る方法です。もちろん通夜はします。対社会に告別式を行うという告知をせず、ひっそりと執り行うことなのです。ふつうは、会社関係、一般会葬者の方々が、「告別式」にやって来ますが、その告別式を行わないことなのです。家族、親族、親しい友人の範囲だけの葬儀と考えてください。
 
 さて、死後、密葬を行うということになった場合、
 
(1)葬儀社との打ち合わせ(見積りをとる)が必要です。密葬を自宅で行うのか、葬儀ホール(密葬用の小部屋が用意されていることも最近は多いので、必ず聞いてください)を使用するのかを決めることが大切です。
 
(2)自宅の場合、近隣の方々へは、”故人の遺志”で密葬する旨を伝えます。会葬は、とりあえずご遠慮することを告知しておいてください。それも大変で、”気骨が折れる”と思うならば、葬儀ホールを使用するのも一案です。
 
 
(3)密葬に呼ぶ範囲を決定する。家族、親族、親しい友人の範囲をリストアップします。実は、ここが一番遺族にとって頭が痛い点なのです。できれば、密葬を望むあなた自身がリストを書き残しておくとよいと思います(名前、関係、住所、電話番号等も忘れずに)。
 
(4)密葬も葬儀ですから、どんな形で行うかを決めます。祭壇使用か、生花で棺を飾るだけか、写真をどうするか(生前一番気に入っていたスナップ写真だけにすることもできます)。密葬を仏教式にすれば、僧侶の手配、戒名の件を考えなくてはなりません。仏教以外の宗教(神道やキリスト教他)や、無宗教式もあります。
 
(5)費用に関しては、通常の対社会的な告別式分がいらないと考えてください。やり方によってさまざまですが、40万円前後からと思っておけばよいでしょう。葬儀社には、必ず見積りを出してもらうことが大切です。
 
 また、葬儀(密葬)の際、近隣への配慮が大切です。自宅葬の場合、喪服の人が出入りをすれば、それとなく必ずわかります。わかっていて、”告別”できないのも大変心苦しいものです。もちろん「会社関係」や「近所つき合い」もそうでしょう。そのため、小さな焼香所を仮につくっておくことが大切だと思います。そんなことに気をつかうぐらいならと、ホールの小部屋で行うケースも増えています。実際、マンション生活等、手狭で葬儀を出しにくい生活空間ですので、今後ホールでの密葬は増加していくでしょう。また、火葬のみの密葬さえ行わない例も出てきています。しかし、人生の終わり方としては味気ないような気がします。
 
 ただ密葬は、意外と遺族に対する精神的負担が、葬儀後に残されるのです。「なぜ知らせてくれなかったのか」と恨まれるケースもあるそうです。また、密葬後、三ヶ月以上も弔問客がお線香を上げさせてくれとやって来るので、その応対で疲れ果ててしまったという遺族もいます。あなたの言葉”最期のメッセージ”の入ったお別れの死出のハガキ(報告書ともいえる)を作成し、郵送することで対社会的にお別れする方法を、おすすめします。

 

斉藤弘子・長江曜子著『Q&A 21世紀のお墓と葬儀』より

クョスコニョ    [1] 
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